Monday, February 26, 2007

CraftLaunchExをbluewind風に使う

私はbluewindをコマンド実行,非アクティブで隠れるようにして使用しています.デスクトップにはできるだけ不要なものは表示したくないのです.ところが,CraftLaunchはコマンド実行,Escで隠れるようにはできますが,非アクティブで隠れるようにはできません.この僅かな差が使い勝手に大きく影響してくるため,今まで乗り換えを検討することもありませんでした.

閑話休題.CraftLaunchの次世代版CraftLaunchExでは“OPTION_ACTIVE_POPUP”という動作オプションが用意されています.ホットキーで呼ばれると現れ,用がない時は隠れるという理想的な動作です.しかし,これの実装にはバグがあり,仕事をした時にしか隠れてくれないため修正しようというのが本日のテーマです.

最新版のCraftLaunchEx0.991に基づいて説明します.方法は2通りありますが,モードを継承して上書きするその1がオススメです.

その1: クロックモードを上書き

extension/clmode_myclock.py
新規作成する
from clapi import *
import cloption
from clmode_clock import ClockMode

class MyClockMode(ClockMode):
def OnGetControl(self):
ClockMode.OnGetControl(self)
if cloption.GetOption(OPTION_ACTIVE_POPUP):
SetValue('')
PopMode()
import clmode_launcher
PushMode( clmode_launcher.LauncherMode() )
clcore.Edit_Show(False)

config.py
from clconst import *の下に追加
import clmode_clock
import clmode_myclock
clmode_clock.ClockMode = clmode_myclock.MyClockMode

その2: CraftLaunchExのコードを直接いじる(非アクティブでは隠れません)
script/clwindow.py
if cloption.GetOption(OPTION_ACTIVE_POPUP):をコメントアウト
            #if cloption.GetOption(OPTION_ACTIVE_POPUP):
# make invisible
# clcore.Edit_Show(False)
clcore.RaiseNextWindow()の下に追加
            if cloption.GetOption(OPTION_ACTIVE_POPUP):
clcore.Edit_Show(False)

script/clmode_clock.py
PushMode( clmode_launcher.LauncherMode() )の下に追加
            import cloption
if cloption.GetOption(OPTION_ACTIVE_POPUP):
import clcore
clcore.Edit_Show(False)

Friday, February 23, 2007

Windows Vista Ultimateを試す方法

期限付きでWindows Vista Ultimateを試す方法があります.ライセンス上どうなるか,どんな環境でもできるのかは確認していないので,自己責任でお願いします.

まずエディションの差をよく吟味し,納得いくものを購入します.え?購入する前に試したい?それは無理です.購入した後でどうしてもUltimateが欲しくなったらWindows Anytime Upgradeをどうぞ.ただ,このサービスの文言を見ると,これはメーカ製のプリインストールされたVistaでしか無理なのではと不安になりますが.

インストールする際にプロダクトキーの入力を求められますが,後で入力するを選択します.するとエディションの選択画面が現れるので,Windows Vista Ultimateを選択します.これだけです.Ultimate Editionが普通にインストールされるので,試用期間内に限って使用できます.なお,プロダクトキーを入れると購入したエディションになるため,認証はできません.

Ultimate Editionから上手くダウングレードできるのかは不明なので,再インストールを求められる可能性があることに注意してください.また,試用期間を最大120日まで伸ばすオフィシャルな方法もあるようです.

Tuesday, February 20, 2007

Windows Vista 入手!

というわけで,さっそく試してみました.

まずはHDDを全て抜き去り,1年前に破壊した(※静電気にはご注意を)30GBのHDDを引っ張り出して接続.メーカ純正ツールで診断したところ,案の定著しく破損していたのでローレベルフォーマット.エラーもなく無事復活したところで,DVDブートしてVistaをインストールしました.

インストールはごく簡単で,いくつかの項目を選択すると自動的に開始します.VistaのインストーラはWindows PE上で動作しているため,Vista風のGUIで簡単に操作できます.30分くらい待たされた後,最終設定を行うと終了です.次にパフォーマンス測定が開始され,10分くらい待つことになります.Vistaはこの測定値を元にパフォーマンスを最適化するため,強制です(おそらく).

私はいつもこの方法で新しいOSを試しています.OSをインストールするHDDを物理的に分けることで,BIOSから起動順を変更するだけでOSを変更できます.OS同士は何の干渉も起こさないため,デュアルブート特有の煩わしさ(OS選択画面,デュアルブート解除時)もありません.

余談ですが,この方法に落ち着く前はHDDのプライマリとスレーブを物理的に切り替えるスイッチを使っていました.SATAでは通用しないため短命に終わりましたが,今の方法の方が楽で安全です(動作中にスイッチが切り替わると…ね).

Vistaは以前にBeta 2を使用しましたが,安定感とパフォーマンスは格段に向上していました.世間でなんと言われようと,私はデザインは大切だと思っているのでVistaは歓迎です.開発初期で大いに期待した分,実物に対する落胆が大きくなっただけでしょう.なんというか,Vistaも悪くないですよ.2000からXPに移行する際に,新しいものに慣れると古いものがチープに見えました.同じことがXPとVistaにも言えそうです.

Thursday, February 8, 2007

iTunes Library崩壊

iTunesをアップデートしたわけでもないのに,起動しようとするとなぜかライセンス承諾画面が.こんな現象に遭遇したら,すぐにiTunesを触らずMy Music/iTunesにあるライブラリファイルをバックアップすることをおすすめします.

ライセンスに同意すると“iTunes Library.itlが破損しています”とのメッセージが現れました.iTunes Music Library.xmlが無事ならそこから復元できることを経験的に知っていたので,復元作業は後でやろうと思いキャンセルを連打しました.もちろんiTunesが終了することを期待していたのですが,iTunesは見事に裏切ってくれました.空のiTunesが立ち上がったのです.

背筋が凍り付きました.My Music/iTunesを確認してみると,やはりiTunes Music Library.xmlは上書きされていました.途方に暮れていても始まらないのでiPodからリストアしようと思ったのですが,Pod野郎は再生回数が復元できず,CopyPodを使用してもスマートプレイリストは復元できませんでした.スマートプレイリストの条件はそもそもiPodにはコピーされていないようで,iPodからのリストアではどんな方法を用いても復元できません.さらに悪いことに,iPodに全ファイルを転送していたわけではないため,一部ファイルが行方不明になるのは避けられない状況です.加えて,ライブラリファイルだけを作成してくれる機能は存在せず,全データを吸い出す時間とディスク容量が必要でした.

こうなるとiPodからのリストアは得策ではありません.そこでMy Music/iTunesをもう一度よく見ると,Temp Fileという名のファイルがありました.タイムスタンプは前回iTunesを終了した少し前です.もしやと思い中身を見てみると,iTunes Music Library.xmlと同様のフォーマットではありませんか!結局こいつからリストアすることにしました.

iTunesを終了後,こいつをiTunes Music Library.xmlに改名してiTunes Library.itlを空のファイルにします.次にiTunesを起動するとインポート処理が開始されます.これで“だいたい”復元できます.というのは,ファイルにメタデータとして埋め込まれている情報以外は失われるようで,手持ちのミュージックビデオは全てムービーに分類されていました.ミュージックビデオ以外はミュージックを選択したときに表示されないので,変更するまではその分だけ曲数が少なく表示されます.

Podcastの修復も必要です.手順はプレイリスト“Podcast”に含まれる全曲を選択後,Podcastにドロップするだけです.ただし,一部のPodcastファイルはiTunesがPodcastと認識してくれませんでした.これもメタデータの関係でしょう.mp3ならこちらにある方法(英語)でなんとかなるのですが,私の場合movやm4vだったので方法がわかりませんでした.幸いにも(?)PodTech.netのものだったので,あきらめて削除しました(4GBも浮きました).

原因はおそらくiTunesを終了せずにWindowsをシャットダウンしたことです(強制終了はしていない).最近ライブラリの保存に時間がかかっていたので,それが完了する前にシステムが落ちたためでしょう.保存に時間がかかる人は注意した方がいいと思います.当たり前かもしれませんが.環境はWindows XP Pro SP2とiTunes 7.0.2.16です.

今回の件だけに限らず,最近Windowsが不調です.使い方にもよりますが,私の場合やはりWindowsは一年ごとにクリーンインストールが必要な手間のかかるOSです.Vistaで改善されることを強く期待しています.もっとも,今回はHDDも寿命っぽいですが.

Monday, February 5, 2007

実用的な面展開は期待できるのか -- 国内サービスインしたFONに迫る

家庭内の無線LANを開放し,個人の力で公共無線LANの面展開の実現を目指したFONが日本でもサービスインしました.このFONには,スポンサーとしてGoogleやSkypeが名を連ねています.アクセスポイント(AP)設置数は2ヶ月で5,500程まで達しており,国内最大数を誇るフレッツ・スポットの7,000APはすぐに抜き去りそうです.

無線LANの共有には専用の無線LANルータLa Foneraを使うのですが,これが1,980円と戦略的な価格設定になっており,オフィシャルサイトやTSUKUMO,九十九電気の店頭で購入できます.単なる無線LANルータとして購入するのもありでしょう.もっとも,この製品にはLANポートが無いため,有線LANが必要であれば別途ルータを用意して構築したネットワークにLa Foneraを接続する形になるのですが.そのため,新規にLANを導入したいだけであれば安いとはいえ余計な出費になります.また,FONの内側(既存LAN)とプライベート,パブリックのネットワークは全て異なるセグメントになるため,ファイル共有を使いたい場合は素直に既存ルータを無線機能付きのものにアップグレードするか,ブリッジタイプのAPを購入しましょう.

FONとLa Foneraについては次のニュース記事が詳しいです.

ホームネットワークを開放するということでセキュリティ上の不安は拭えませんが,TSUKUMOに掲載されている解説を見る限り大丈夫そうです.ただし,公開されたAPを利用する時は注意が必要です.同じAPを利用するPCは丸見えになるので,ファイル共有はオフにしておきましょう.また,通信が暗号化されていないため,オンラインバンキング等の重要な情報のやりとりには注意が必要です.

このLa Foneraですが,中身は普通のLinuxマシンのようで既にHackしている方もいらっしゃいます.DD-WRTも動くようですが,改造に必要なsshによるログインがROMバージョン0.7.1r2で修正された脆弱性を利用しているため,現在販売されているものでは改造は不可能かもしれません.より詳しく知りたい方は,まとめwikiを発見したのでそちらへどうぞ.

さて,このFONですが果たしてどれだけの効果があるのでしょう.家庭を拠り所としているため,商業区やビジネス区等,居住区以外のエリアで実用的な面展開が期待できると私には思えません.そういう点では,利用者の多いエリアを狙い打ちにできる商用サービスに分があるのではないでしょうか.少なくとも100mしかない802.11bの伝送距離では短すぎです.周囲のロケーションに左右され,ほとんどのAPが実用的ではなくなるでしょう.802.11n対応APをいかに低コストで製造し,戦略的な価格で早期に販売できるかでFONの評価が変わってくるのではないかと思います.

あと数年もすればWiMAXやHSDPAを始めとした高速通信技術が実用化され,定額サービスとして提供されるでしょう.それらのサービスに加入しているユーザがFONを利用するメリットはあるのか.FONは低コストを売りに住み分けることができるのか.FONの命運は都市部をカバーできるかにかかっており,審判はそう遠くない未来に下されるでしょう.

参考